【好きな器を探す、旅】ヴァンヴ蚤の市へ1

2018.4.29(Sat) 
 
そわ、そわ、と朝早くに、目が覚めた。
蚤の市、初日の日。
陽の光の美しい晴れ。
私には少し、色あせたような陽の光に感じる、晴れ。
 
敬愛する方のブログで読んだ、
『いい商品は早く売れちゃうから、バイヤーさんたちは暗いうちから、街に出る』と、
いうことを思い出して、
朝早く起きて、いてもたってもいられなくなってしまった。
 
8時から始まる蚤の市だったのだけど
6時頃から、実はもう蚤の市は密かに始まっていて
いい商品は、手慣れたバイヤーさんが買い付けて
売れてしまったのではないか・・・と、
一人不安になったりもした。
 
私が今回行こうと思っている
『ヴァンヴ蚤の市(Marché de Vanves)』というもの。
パリ3大蚤の市のひとつにあたる有名な蚤の市で
パリ14区で、地下鉄徒歩2分ととても行きやすいところにある。
毎週土曜日の午前中に開催しており、
ネットにも情報が溢れているところ。
 
ということで、観光の人も多そうで
初心者にはきっとこういう王道から始めるのが安全でいいだろう!と目星をつけ
ここを初めての買い付け場所に決定!
 
今回の蚤の市への持ち物は、私なりに厳選して
〈空のリュック、携帯、お財布(ただしスリが怖いから、現金をポッケに)・計算機・付箋・小さなメモ帳・ペン1本・カメラ〉だけ。
いつもトートバック派なので、
リュックにしようか、トートにしようか迷ったけれど
一緒に買い付けに行っている
なっちゃんに『絶対にリュックだから!両手は常に開けて』という勧めの元、リュックに決定。
そしてこれが大正解!
 
蚤の市の近くに宿をとったので
なっちゃんは、たまたま1台しかなかった公共自転車で
(至る所に、無料の貸し出し自転車が置いてあるのです)
私は気ばかり焦って、なぜか小走りで蚤の市会場へ向かったのでした。
 
朝早く、まだ出店もまばらな蚤の市会場
ちょっと、早く来すぎたみたいだった。
それでも、ぽつ、ぽつ、と、ずうっと続く小さなテーブルたちが
私には、なんというか、見ているだけで、ドキドキとする遊園地のようだった。
この沢山ある、テーブルの中から
自分の好きなものを探していくのかぁ
 
どんなものが出品されているのかも、
どんな傾向のものが置いてある蚤の市かも分からなかったので
とりあえず、いつもリース屋さんで私がやっているやり方を試そう!と思い
〝よしっ〝と気合を入れて、1軒1軒、足早にブースを回る。
凄く欲しいものが出ていたら、買い。
気になるな、というものはそのままに。
 
変てこなガラクタ、器、カトラリー、紙、布、美しい袋、鍵・・・・・・
誰がこんなの欲しいのだろう、というものから、私の欲しいであろうものまで
わんさかと色んなものがあった。
少しでも気後れすると、物の熱量に負けてしまいそうで何にも買えなくなってしまうような、
勢いがあるとでもいうのか、そんな市場だった。
こんな時、いつも沢山の物たちと接し、
その中から自分なりの、いいな!と光るものを自分で集める
スタイリストをしていて良かったなと思う。
 
好き、嫌い、好き。本当に好き?と、多くの物の中から、
掬うように気になるものを選ぶのには、慣れている。
 
 
初めに私が買ったのは、リネン。
紺色とオレンジのラインが美しい、白いリネン。
沢山のリネンの中に埋もれていたのを見つけて、ひとめぼれ。
どうしても家の子になって欲しい。
 
『ボンジュール マダム セ コンビアン?』
 
海外に行くと、初めはそこの言葉で話しかけよう!と、いうのが
私の数少ない旅先でのルールの、ひとつ。
異国の人が、そこの国の言語を一生懸命話そうとすると
みんなが優しく耳を傾けてくれる気がするのだ、たぶん。
少なくとも、私はそうだと信じている。
 
マダムは、ふふ。と笑い
フランス語で色々と説明してくれた。
 
ごめんなさい、さっぱりわからない。
私の中の勝手な翻訳機能では、
『これ、素敵でしょう?すっごくいいリネンなの。⚪︎⚪︎年代のものでね!ここの折を見て!』といったところだと、思う(全然違う恐れもある・・・)
最後にきっと値段を言ったんだろうな、とマダムがひと段落ついたところで
困ったような顔をして、首をかしげて、電卓を差し出す。
 
『セ コンビアン?(いくらですか?)』と、もう1度。
 
マダムも、そうか、そうか!フランス語わからないのね、と
電卓を打ってくれました。
 
フランス語は通じなくても、電卓の数字はいとも簡単に私とマダムを繋げてくれる。
電卓には、 55 の文字。
思ってたよりも、たかいっっ!
 
だけど実は、それが高いか安いかの相場も、最初の買い物で本当の所わからない。
でも、一目惚れしたその布をここでやめるという選択肢は、ない。
私は、たかーいという言葉と電卓で私が買いたい値段を押して
マダムに、それはダメー、このくらいで買って、と言われる。
その繰り返し。
 
市場というという所での買い物は、
たぶん・・・たぶん。
ほんの少しだけ、コツがいる。
私は、幼少期3年間だけ中国の北京に住んでいたことがある。
あの混沌としていた今では考えられないような何でもありな街の市場で、
それを学んだ。
というか、学ばざるをえなかった・・という方が正しい気がする。
ぼーっと買い物をしていると
恐ろしいほどの高値で外国人に物を売ってくる中国の市場では
今から考えると、あれは私だったのか?と思うような、
ピリピリと市場での買い物中は隙を見せず、
常に値段交渉しながら買い物をする
日々を過ごしたのです。
 
フランスに買い付けに行ってみて
中国とはまた違うコツがあったけど
値段交渉するのは、どこの市場でも通ずるものがあると思う。
 
電卓でマダムと何度も数字を叩き合い
なんとか、私の思っている数字まで下げて
マダムに、縦に首を振ってもらった。
それでも、高い気が・・・する。が
リネンはどこの国も、いい値段がするはずだ!
何より気に入ったんだから、大丈夫!!
 
初めて、手に入れた布。
マダムから布を受け取ると
手に布の重さが心地よい。
さっきまでの不安も吹き飛んでしまい
なんとも言えない、嬉しさが溢れてしまいにやにやしてしまう。
すぐに頭の中に、その布を使ったテーブルのイメージが湧いた。
 
蚤の市を1時間かけ1巡してみたところで、私の荷物の量はたったの袋1つ分しかなかった。
あれ?おかしい・・・
慎重になりすぎたか・・・と、手元の袋をじーっと見てる。
まだまだ軽い袋の中を見て、わたし買い付けに向いてないんじゃないかと、一人焦りだす。
そんな不安を抱えて、一人市場のど真ん中で佇んでいたところ
なっちゃんがご飯を持ってやってきてくれた。
『美味しそうなパン屋を見つけたから、パン食べよう!』と、
市場のど真ん中で座る時間も惜しくて、立ちながらの朝ごはん。
右にも左にも、コーヒー片手にパンをほおばっている人が結構いた。
 
ありがとう。美味しい。でも、まだ1袋しか買えてない。
買いたかったお目当てのお皿が見当たらない。美味しい。とにかく頑張らなきゃ。美味しい。
いろんなことを考えて、パクパク食べながら
パンの味がするようで、全然しないような、朝ごはんでした。
 
 

ヴァンヴ蚤の市
蚤の市の真ん中、でパクパクと食べたサンドウィッチ。
木靴。可愛かったなぁ・・・
買い付けた器たちの一部。